2013年4月29日月曜日

韓国:月給の二極化進む

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/04/29 07:31
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/04/29/2013042900453.html

月給100万ウォン以下の大卒者24万人
月給の二極化進む

 大学卒業後、2年前から中小規模の出版会社に勤めるイ・シニさん(仮名)=25=の給料は月100万ウォン(約8万8000円)前後だ。
 本が好きで出版会社に就職したものの、経済的には非常に苦しい毎日を送っている。
 イさんの目標は、経歴を積んでより大きな出版会社に移ることだ。
 そうすれば、200万ウォン(約17万6000円)ほどの給料を手にすることができる。
 しかし、ここ数年の不景気で出版業界が低迷し、同業界内での就職や転職は思わしくない状況だ。
 イさんは
 「出版業界はここ数年にわたる不景気で、新刊は1万部、あるいは5000部だけでも売れてくれれば御の字だ、といったうわさまで飛び交っている。
 いつになったら月給100万ウォンから抜け出せるのか、考えただけでも恐ろしい」
と悲痛な胸中を語った。

 A銀行で非正規職として勤務していたキムさんは昨年、正規職に転向したことで月給が15%ほどアップし、月250万ウォン(約22万円)を受け取るようになった。
 金融業界では昨年、多くの非正規職が正規職に転向したことで、数千人の給料がアップした。

 このようにサラリーマンの間では月給の二極化が深刻化している。
 月給100万ウォン未満の貧困層と同500万ウォン(約44万円)以上の高所得者層は増えている一方で、中間所得者層はさほど増えていない。

■月給の二極化が深刻

 統計庁が今年3月6日に発表したところによると、昨年の7-9月期を基準とした賃金労働者数は計1786万2000人で、4.6%増えたという。
 このうち月給(月平均賃金基準)が100万ウォンに満たない労働者数は264万人と、6.8%増えた。
 これは、全体の賃金労働者の増加率(4.6%)よりも高い。
 一方、すぐ上の階層である月給100万ウォン台の労働者はわずか1%の増加にとどまった。
 現代経済研究院のイ・ジュニョプ研究委員は
 「これまで月100万ウォン以上を支払えていた会社が100万ウォンも支払えない働き口に転落してしまってはいないか、チェックする必要がある」
と話した。

 ところで、低所得者層だけが増えたのではなく、高所得者層も増えている。
 昨年月給500万ウォン以上を受け取った労働者は102万9000人と、初めて100万人を突破。
 前年に比べると実に14.7%増となった。
 これは、月給200万-400万ウォン(約17万6000-約35万2000円)台の労働者数が5-8%の増加率にとどまったのと比べ、増加幅が大きかったことが分かる。
 イ・ジュンヨプ研究委員は
 「大企業に勤めるサラリーマンの月給が引き続きアップしていることで、高所得サラリーマンの割合が高まっている。
 低賃金労働者と高賃金労働者の割合が共にアップする二極化現象がみられる」
と話した。

 中間所得者層が増えれば二極化に歯止めがかかるのだが、その反対の現象が起こっているというわけだ。
 全国経済人連合会の関係者は「これまで勤労者の賃金を引き上げてきたことで余力がなくなり、新たに雇用する人材は低賃金の非正規職となる企業があるが、こうしたことが働き口の二極化の原因となっている可能性がある」と指摘する。

■大卒者24万人、月給は100万ウォン以下

 働き口の二極化問題は、高学歴層の間でも見受けられる。
 大卒以上の学歴を持った労働者のうち月給が100万ウォンに満たない労働者数は24万人と、1年前に比べて5.7%増えた。
 これは、大卒者以上の全労働者の増加率(5.0%)に比べ高い。

 また、業種別の二極化現象も深刻化していることが分かった。
 最近市場が極度に冷え込んでいる出版、映像業界の場合、月給100万ウォン未満の人は1年前に比べて47.4%も増加したものの、月給500万ウォン以上の場合はわずか1.4%増にとどまった。

 一方、金融業界は月給100万ウォン未満の人が1年前に比べて7.4%減ったが、月給500万ウォン以上を受け取る人の割合は20.3%も増えた。

 これは、金融機関が非正規職を正規職に切り替えたことで、低賃金労働者の割合が減り、高賃金労働者の割合が増えたことによる。
 金融業界に従事する賃金労働者の場合、月給500万ウォン以上を受け取っているのは78万人のうち14万人(18%)で、5人に1人ということになる。
 ところがこの割合は、出版・映像業界従事者に限った場合、10人に1人にまで下がってしまう。

 業種別には、理・美容師のようなサービス業は月給100万ウォン未満が8.4%増えた一方で、500万ウォン以上の増加率はゼロだった。
 また、専門家と事務職への従事者は増えていないものの、月給500万ウォン以上の人が占める割合はそれぞれ9.7%、7.6%増えた。
 国策研究院の関係者は
 「専門家や事務職への従事者は働き口の数が増えているわけではないが、結果として高賃金労働者の占める割合だけは増えている。
 これは、誰もが好む業種では従来に比べ待遇だけが改善され、同業種に新たに参入するのが難しくなっているということを意味している」
と説明した。






【迷走する韓国 】


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